
双極症に関連して語る機会が増えたので、双極症についてまとめています。
病識についてはできるだけ解り易く、関連情報については自分なりのメモとしても書いてます。
双極症(双極性障害)とは?
双極症(双極性障害)の定義
双極症とは躁と鬱と呼ばれるの状態を繰り返す病気のことです。
簡単に言うと躁は超ハイテンション、鬱は超グロッキーです。
以前は「双極性障害」「躁鬱病」とも呼ばれており、双極症と改名されたのが割と最近なのでそっちの方が聞き覚えがあるかもしれません。
「双極」とは二つの極端な状態、つまり躁と鬱を意味します。
波のように何度も躁の時期・鬱の時期・通常の時期を繰り返します。
似た名前の病気に「鬱病」がありますが、実は双極症とは似て非なる病気です。
どちらがツラいと比べて不幸自慢をしたいわけではありませんが、双極症は躁状態もあるため振れ幅が大きく、特に躁状態から鬱状態へ変化する際の落差がエグいため自殺率が跳ね上がる恐ろしい病気です。

ここまで読んで「そうそう、めっちゃハイテンションの時と、布団から動けないときが繰り返しくるんだよなぁ」と思った方は、とりあえず病院に行ってください。
インターネットで病識を深めるのも良いですが、そもそも自分が双極症なのか、はたまた違う病気なのか、生活の乱れなどが原因なのか、一度見極めてからでも遅くはありません。受診する科は「心療内科」か「精神科」です。
※ネットでよく見かける「〇〇病チェッカー/〇〇病診断」はやらない方がいい
よく「〇〇病チェッカー」とかありますが、あれはやらないようにしましょう。
基本的にちょっとメンタルに不安がある人は、いくつかチェッカーをやるといろんなのに当てはまるようになってます。僕はただ不安を煽るだけのコンテンツだと思っていて、SNSのいわゆる「病み垢」ではこのチェッカーによって勝手にいくつもの病気に疾患した気になってる人が大勢います。
メンタル病んでる人が、客観的に自分の状態を診断できる可能性は低いでしょう。できたら病んでないです。できないから病んだんじゃないでしょうか。病んでない専門家(医師)の診断の方がよっぽど信頼できます。
「ファッションメンヘラ」になりたいなら別ですが、その方には当サイトの情報は当てにならないと思います。
※病み垢:SNSで病んでる状態や不安などを吐露するアカウント。
※ファッションメンヘラ:「メンヘラってなんか魅力的だよね」でメンヘラっぽくすること。
躁状態とは?
さて、ここからは双極症についての知識をまとめてみます。まずは躁状態について。

躁状態は、気分の異常な高揚が続いていて一見すると元気なようですが、ある意味キマっちゃってる状態なので危険です。本人は大概「めっちゃ調子が良い!」と勘違いしています。
異常な高揚ってどんなのかというリストがあります。
いつもと違うという状態で、4つ以上が1週間以上続くと躁状態。
躁状態は場合により入院が必要なレベル(社会生活に困難が生じる)になることもありますす。
- 自尊心の肥大:「自分はなんでもできる!!」
- 睡眠欲求の減少:「あー昨日2時間しか寝てねーけどツラくねー」
- 多弁:とめどなくいろいろ喋ってしまう。「いや、別に僕はそんなに喋りたいわけじゃないんですよ?喋りたいわけじゃないんだけど、一言だけ言わせてもらうならば、あ、ここでいう一言っていうのは例えばこの間ご飯食べてた時に(以下略」
- 観念奔放:アイデアが溢れ出してきて夜も眠れず、会話してると思考に追いつかず話が飛ぶこともある。
- 注意散漫:「あれもしたい、これもしたい、もっともっとしたい!あわわ!」
- 活動の増加:「ゆっくりリラックス」の時間はなく、常になんか作業をし続ける。
- 快楽的活動に熱中:普段ならしないような浪費をめっちゃしたり、考えもしなかったようなエッチなことをめっちゃしたくなったりする。
- 暴力的になる
軽躁状態
躁状態の軽いバージョン。
入院は不要。なんとか社会生活を送れる。
上記リストで4つ以上が4日以上続くと軽躁状態。
躁・軽躁状態になると
ぶっちゃけ、本人は割と楽しい時間を過ごせることが多い。
ただし楽しい時間を過ごせるのは”そのときの本人”だけであって、過去や未来の本人含めた周囲が困惑することが多い。
将来の自分からエネルギーの前借をしているようなものなので、躁のあとにはほぼ確実にうつ状態が訪れます。
鬱状態

よく聞く「鬱病」と似て、実は非なる状態。
うつ病と同じ薬を使うと、通常の状態に戻ろうとしてそのまま突き抜け、躁状態になることも多い。
またうつ病は一度治れば(だいぶ)安心だが、双極性障害のうつ状態は普通の状態に戻ってもまたうつ状態を繰り返すことが多い。
下記リストで5つ以上が2週間以上続き、☆彡マークのどちらかが含まれており、社会人として(社会生活,人間関係)著しい障害を生じるとうつ状態。
- ☆彡抑うつ気分:「あぁ……理由はないけどもうイヤ……。」
- ☆彡興味,喜びの著しい減退:「なにしても全然嬉しくないし、そもそもやる気も出ない。」
- 著しい体重変化または食欲変化:「1週間で5kg痩せたけど、なんでだろ?あぁ、一日一食になってたのか。」
- 睡眠の異常(不眠または睡眠過剰):「今日は15時間寝てた。けど眠い。」
- 精神運動性の焦燥または抑止:「なんでだろ、このままじゃいけない気がする。」
- 疲労感または意欲の減退:「なにもしてないのに疲れた。なにもしてないのに何もする気が起きない。」
- 無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感:「こんな自分のせいでお手間を取らせてしまって申し訳ない申し訳ない申し訳ない……」
- 思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる:「……、……。(考えようとしてる途中で思考がどっかに消えてしまった)」
- 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図するためのはっきりとした計画:「鬱になったら自殺するとかいうけどさ、正直そんな気持ち全然起きないんですよね。でも実際、自殺ってどうやってするんだろう。自分ならどうするかな。死ぬっていうことはどういう状態なんだろうなぁ。死、死、死……」
双極症の場合、躁状態のあとにうつ状態が現れることがあるため、その落差により大ダメージを負ってしまい、命を絶つ危険性が非常に高いので要注意。
躁状態のときの”やらかし”を思い返してさらに凹むなど、うつ状態を悪化させる要因も多々あります。
混合状態
躁状態と鬱状態が混ざった状態のことです。よくわかんないと思うので、イメージしやすい例を箇条書きしてみました。
- 行動:躁 精神:鬱
➡「いろいろな考えが湧いてくる!でも禄ない!さっさと死のう!」 - 行動:鬱 精神:躁
➡「あれもしたい、これもしたい。だけど身体が言うこと聞かなくて動けない」
この1つ目の状態「行動的なんだけどネガティブな考え」は特に危険な状態です。鬱状態でも自殺の危険性は高いですが、この状態はそれに輪をかけて注意が必要だとのことです。

こちらの図の下の方にも書いてありますが、双極症を深く分析するときは「行動と精神」より「気分・思考・意欲」で考える方が適しているでしょう。この「気分・思考・意欲」がバラバラに躁状態と鬱状態になると、全体で混合状態となります。
テンション高いけど、考えてることが悲観的だったり。
やる気力はないのに、頭の中でいろいろ考え事が浮かんだりソワソワしたり。
通院済みの人は「なんかいつもの躁(鬱)となんか違う!?」てなったらお医者さんに相談してみてください。
混合状態の説明は、個人的に「さくらこころのクリニック」さんの説明が解りやすかったです。
双極症(双極性障害)と仕事
双極症を患うと、躁の状態・うつの状態 どちらでも休職する可能性があります。僕も2回の休職を経験しています。
休職中は傷病手当金などに頼りながら暮らしていけるので焦らないでください。標準報酬月額のざっくり2/3が最長1年6カ月支給されます。
休職中には生活リズムを整えることで症状の改善や復帰への準備をします。生活リズムを整えるためには、生活リズム表の活用が効果的です。
実感として仕事のストレス(責任感や人間関係,労働時間など)が双極症に与える影響は少なくないです。もし現在の仕事が双極症に適していないかもという人は、動けるうちに部署変更や転職を検討してみるのも悪くないでしょう。
双極症(双極性障害)の再発予防
双極症は再発予防が難しい病気ですが、少しでも再発の可能性を下げたり、再発時の症状を緩和したいですよね。
そのためには、薬物療法と並行して食生活の改善にもチャレンジしてみると良いかもしれません。基本的には魚をたくさん食べることを推奨。
またアップルウォッチやFitbitなどのウェアラブルデバイスを活用して睡眠時間や心拍数などを記録し、客観的に状態を確認するのも有効です。
効果はどれほどかわかりませんが、 ≫「サイバーイグアナ式健康法」をベースにサプリメントを摂取して バフをかけて体調の底上げを図っています。