聴覚過敏(HSP含む)だと医療機関で教えてもらった人も、なんとなく自覚している人も、多数いると思います。人口の15~20%はそういった症状に悩まされているそうです。
僕も聴覚やら視覚やらが過敏らしく、人混みが苦手で人混みに行くと人酔いをしてしまいます。そのため出掛けるときは聴覚・視覚過敏対策をしています。今まで聴覚対策としていくつかグッズを試したので、今回はそのフィードバックをします。
外出時や家庭、いろいろな場で生じる『音』に悩まされることがありますよね。少しでも緩和したい人の参考になればと思います。『デジタル耳栓』という商品名を初めて聞く人には価値のある記事になってると思います。
聴覚過敏やHSPについて(ざっくりおさらい)
聴覚過敏はその字の通り『聴覚が過敏』である症状が出てしまう状態です。周囲の音が大きく感じて不快感に悩まされるというやつです。
HSPはHighly Sensitive Person、日本語で「めっちゃ敏感な人」ですね。
HSPはいろいろな刺激に敏感になってしまうので、音以外にも光や他人の感情に敏感になるなども含まれるそうです。
記事を書くにあたり調べていて知ったのですが、聴覚過敏やHSPは特に病気というワケではなく、そういう気質という風に捉えられているそうですね。まぁなんでも病気にされたら気持ちも沈んちゃうので良かったかもしれないですw
僕は人混みのザワザワとかがとても苦手なので、その対策をしています。
程度としては、対策無しで週末のショッピングモールには近寄りたくないっていう程度です。ファーストフード店もキツイです。喫茶店は問題ないです。冠婚葬祭も大丈夫です。
先日イベントに参加してみましたが、人の多さでグロッキーになってましたw
そんな人間が使っている聴覚過敏対策グッズをご紹介です。
後半で紹介しますが『デジタル耳栓』は育児ノイローゼ対策にもなるのではと考えています。
僕が育児をしていたときは常に騒音(ごめんね)に晒されていてかなり参っていました。
同じような状況で悩んでる方が少しでもストレスを減らして、親子一緒に楽しい生活が送れる手助けにもなるのかなと思います。
聴覚過敏対策グッズの紹介とレビュー
比較検討するグッズは以下の3つ。
- イヤーマフ
- ノイズキャンセリングイヤホン
- デジタル耳栓
最終的に一番オススメするのはデジタル耳栓です。
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イヤーマフ
イヤーマフはヘッドフォンみたいな形をした防音保護具です。
大きな音がする工事現場で使われているもので、近年は聴覚過敏の人向けにも流通・改良され始めているようです。
最初に断らなければならないのですが、僕はイヤーマフを買ってないし使ってません。なので集めた情報を基にした想像をまとめたものだ、という前置きが必要です。
イヤーマフは聴覚過敏対策として結構メジャーなようですが、なぜ僕が採用していないかも含めてメリット・デメリットを紹介します。条件が合えばとても有用だと思います。
メリット
電源不要
電気を使うものではないので、充電残量や電池の持ち運びなどはありません。『あと〇時間で使えなくなる』というような心配は不要なので、そういったところに気が向いてしまう人には適しているかもしれません。
見た目ですぐに耳を塞いでいるのが解る
大きく耳に被さる保護具を付けているので、後ろから見ても「この人は今音が聞こえづらいな」というのが解ります。『何度も声を掛けられてるのに気付けず、声を掛けてる人が怒ったりする』ということが発生しづらいですね。
見た目について:工事現場で使われていることが多かったので無骨なデザインが多かったですが、近年は聴覚過敏の子供が利用するケースが増えてきたためデザイン性の高いものが出てきたりしています。
耳に被せるタイプなので、比較的耳の内部が湿りづらい
イヤホンや耳栓は、耳の中が高温多湿になりカビが発生しやすくなるようです。
こちらのメーカーさんのブログ記事に詳細が記載されているので参考にしてみてください。
ヘッドフォンタイプであれば、イヤホンや耳栓に比べて多少はそういった影響を抑えられるのではないでしょうか。後述するイヤホン・耳栓などと併用するのも良いかもしれませんね。
デメリット
持ち運びしづらい
単純にデカいです。
ヘッドフォンに似た形状なので、鞄に入れるときにはそれなりに収納スペースが必要です。
大人の通勤鞄や、オシャレな小型の鞄は選択しづらくなります。外さない前提であれば、気にすることはないかもしれません。
熱がこもって暑い
僕がイヤーマフを選べなかったデメリットがこれです。
開放型のヘッドフォンでも耳回りに熱がこもってしまい、それがストレスになって長時間装着することができません……。密閉するイヤーマフであれば更に熱がこもるであろうと想像できるので、選択肢から外れました。
普段ヘッドフォンを利用していて問題ないという方は、ある程度大丈夫なのではないかなと思います(想像)。
ノイズキャンセリングイヤホン

僕の使ってるノイキャンイヤホン
ノイズキャンセリングイヤホンは現在主流になってるイヤホンですね。
周囲の音を相殺させて打ち消し、騒音のある場でも音楽のみが聞こえるようにするというイヤホンです。
メリット
圧迫感は少ない(個人差アリ)
イヤーマフと比較すると、耳を覆うことはないので圧迫感は少ないです。しかし基本的には遮音のためにカナル型イヤホン(耳栓のように耳に押し込むタイプイヤホン)なので、そういった装着感が苦手な方には向いていません。
音楽が聴ける
基本的には『イヤホン』なので、音楽を聴く機能がメインです。当たり前ですねw
僕が使っているSONY WF-1000XM4というノイズキャンセリングイヤホンは、音楽を流していないときでもノイズキャンセリング機能を使えます。
周囲のガヤガヤした音は苦手だけど音楽は大丈夫だったり、音楽が流れていると環境音から気が紛れたりするので、誰かと会話する機会のない電車などでよく使っています。
デメリット
音が消えすぎる
一番の問題は『声が聞こえない』ことです。
周囲の音全てをキャンセルして音楽に集中するためのノイズキャンセリング機能なので、逆に声が聞こえると困るんですけどね。
これがどう困るかと言うと、人と会話ができません。おひとり様専用です。
家族がいる場や、友人とショッピングに行ったときなどは使えませんし、イヤホン付けてて声が聞こえないと言われても相手は困るというか怒るでしょうw
『アンビエントモード』という周囲の音が聞こえるようにするモードがありますが、それだと環境音を消せないので聴覚過敏対策としては意味がなくなります。
一緒に行動する人がいる場合は、後述する『デジタル耳栓』の方が良いです。
試してみるなら、まずは有線タイプ
とりあえずノイズキャンセリングイヤホンを試してみたいな、という場合は有線タイプから始めてみるのが良いのかなと思います。
音楽や動画の視聴でもゴリゴリ使う!という方は最初からワイヤレスタイプでもOKだと思います。
比較的安く手に入る
ノイズキャンセリングイヤホンはピンからキリまでいろいろあります。
音質重視などだと数万円は当たり前の世界ですが、有線(ノイキャン付きはネックバンド式が多い)の物だと比較的安価な物もあります。
一日バッテリーが続く
ワイヤレスだとバッテリー容量が少なく、丸一日の利用は難しいかもしれません。
僕の使ってるSONY WF-1000XM4は8時間のランタイムですが、朝から1人でずっと出掛けっぱなしの時は充電が切れかけました。家で付けっぱなしにする場合も充電は持たないと思います。
ネックバンド式などはバッテリー容量が確保できるので、ランタイムが10時間を超える物も多いです。そういった利点から選んでみるのもアリかなと思います。
デジタル耳栓

デジタル耳栓の見た目は普通のイヤホン
デジタル耳栓という名称を初めて聞いた、という人も多いのではないでしょうか。
デジタル耳栓は、普通の耳栓よりもノイズキャンセリングイヤホンに近いものです。
違いは『人の声が聞きとりやすいかどうか』にあります。環境騒音をメインにノイズキャンセリングしてくれて、人の声やアナウンス、着信音はそこそこ聞こえるという風に調節してある商品です。
詳細はキングジムさんの公式サイト↑を確認されると解りやすいと思います。
※サンプル動画がありますが、あそこまで明確ではありませんw
メリット
人の声はそこそこ聞こえる
やはり一番のメリットは『人の声が聞こえる』ということでしょう。
僕は人混みに友人といてツラくなってきたとき、ひとこと言ってからデジタル耳栓を装着します。(何も言わずに装着すると『会話してるのにイヤホン装着し始める嫌な奴』ですw)
ザワザワ音がかなり緩和されつつも、近くにいる人の声は聞こえるので会話は普通にできます。
むしろ雑音が減るので聞き取りやすくなります。ノイズによる疲労と聞き取りにくさが解消されるのでとても良いと思います。
声自体も少し小さくなると思いますが、周囲の音がそれ以上に小さくなるので聞き取るのは問題ないという感じです。
バッテリーが長持ち
有線タイプのMM1000は、単4電池1本で60~100時間使えます。充分ですw
デジタル耳栓にはワイヤレスタイプのMM3000というのもあります。こちらでも12時間の利用が可能なようなので、普通に使う分には問題ないですね。ワイヤレスですが音楽データの受信などがないのでノイズキャンセリングイヤホンと比べて長持ちなんだと思います。
圧迫感は少ない(個人差アリ)
ノイズキャンセリングイヤホンと同じく、耳にはめるタイプなので、イヤーマフよりは圧迫感は少ないです。
デメリット
ノイズキャンセリングイヤホンよりは周囲の音が聞こえる
声など、一部の音が聞こえるように調整されているので、ノイズキャンセリングイヤホンと同じレベルの『周囲の音が消える』という感覚にはなりません。
しかしこれは、デメリットに挙げましたがメリットでもあると思います。屋外を歩いているときは周囲の音が少しは聞こえた方が安全だからです。聴覚過敏対策オンリーとして考えると、そこまで悪くはないかなと思います。
ケーブルの当たる音が伝わる(有線タイプ)
周囲の音が聞こえない代わりに、イヤホンケーブルがぶつかる音はめちゃくちゃ聞こえますw
『なんかゴッソゴソ聞こえるな?』と思ったらイヤホンケーブルが机に当たってる音だったり。しっかりと経路を確保して固定しておけばかなりマシにはなります。聴覚過敏の人間はとても気になるレベルですが、ちゃんと対策してあげればかなり防げます。
ケーブルの音がどうしても気になるけど機能は良い、と感じていたらワイヤレス方式のデジタル耳栓に変えてしまいましょう。
ケーブルがちょっと短い(有線タイプ)
僕の身長が高い(180cm以上)からかもしれませんが、耳からパンツのポケットまでケーブルが届きません!
これが一番の不満点かもしれない……。今のところ胸ポケットや上着のポケットに入れてなんとかなっていますが、Tシャツ1枚とかだと使えないかもですね。
身長が170cm強を超えていなければ気になることはないと思います。
試してみるなら、まずは有線タイプ
ノイズキャンセリングイヤホンと同様に、まずは安価な有線タイプで試してみるのが良いのかなと思います。
ちなみにイヤホンケーブル一体型のMM2000というタイプがあったようですが、こちらは販売終了となっています。価格・取り回し・バッテリー持続時間などバランスが取れていて良いなと思いましたが購入できませんでした。
一度有線タイプを試してみて、ケーブルが邪魔だとか見た目がカッコ悪いとか、無線タイプの方が良いと思ったら乗り換えるのが良いんじゃないかなと思います。
僕はケーブルの長さ問題が結構大きいので、そのうちMM3000に買い換えます。
まとめ
純粋に聴覚過敏対策として使うならデジタル耳栓がオススメ
人との会話などで不自由しないという特徴があるデジタル耳栓は、まさに聴覚過敏の人向けの対策グッズだと思います!
たまたま入った飲食店がうるさくても、デジタル耳栓なら注文を取りに来た人の声も、レジ打ちさんの声も聞こえます。
友人家族と出掛けたいけど人混みが辛い、というときには騒音を緩和しつつ会話はできます。
公式サイトには『集中したい人、リラックスしたい人向け』と書いてはありますが、聴覚過敏の人のために作られたと思ってますw
ぜひとも使ってみてください。僕はオススメします。
育児ノイローゼ気味の人にも役立つと思う
育児をしていると、加減を知らない子供の大声が常時近くでしていますが、これがかなりのストレスです。子供に悪気は無いのですが、どうしてもストレスにはなってしまうのです。
ましてや、育児では他にもいろいろとストレスや自律神経が乱れるような要因があります。
そして聴覚過敏はストレスや自律神経の乱れで引き起こされることもあるそうです……。
つまり育児と聴覚過敏でストレスの悪循環に陥って、育児ノイローゼにどんどん近づいている可能性があります。
というか、たぶん僕はそうなりましたw
もしあの頃の自分がデジタル耳栓を知っていればなぁという想いがあるので、子供の大声など、育児中の騒音ストレスに悩んでいる人はぜひ使ってみてください。もしかしたら生活がグッとらくになるかもしれません。
この記事が聴覚過敏で悩んでいる人の助けになりますように。
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