「躁状態」を表現する、ぴったりの映画がありました!
こんにちは、双極性障害に悩んでいる染次朗です。
先日ふと、躁状態で生じる症状について、解り易い説明ができる題材を思いつきました。
まぁタイトルでモロバレなんですが(笑)、躁状態って映画「マスク」の変身状態とよく似ているんですよ!!
躁状態で生じる症状は「仮面(マスク)の魔力」で無理やり引き出された欲望と同じ
マスクという映画は、緑色の木製仮面を拾って顔に付けたところ、あらビックリ!マスクというハチャメチャ魔人(?)に変身してしまうというストーリー。
※観たことない人はネタバレになるので観てから読んでね!
この木製仮面は、被った人の欲望を解き放つ魔法のマスクなわけですが、躁状態によく似てるんです。
自分のペースで周りを巻き込んで喋るし、いきなり歌いだすし、踊りだすし、朝まで眠らなくても大丈夫だし……!
もしかしたら僕の躁状態がジム・キャリー演じるマスクと似ているだけ?(笑)
いやいや、人によってはマスクの敵ドリアンのように暴力という欲望が引き出されてしまうこともあります。
症状の出方に個人差があるところも、双極性障害や躁病の症状と似ていますね。
大事なのは「普段は抑えられている欲望」だということ
ここで大事なのは、マスクを被らなければそんな欲望はある程度抑えられているということ。
躁状態についてはよく「躁状態での言動や行動は病気によるものであり、個人本来の人格によるものではない」という説明がなされます。
つまりマスクの登場人物たちが木製仮面の魔力によって無理やり奥底の欲望まで引き出されているように、躁状態も出ている言動や行動は本人が望んだものではないということです。
そのひとの人格というのは、ちゃんと理性で抑えられているところまで含めて「本来の人格」です。
実際、主人公のイプキス(ジム・キャリー)も、マスク状態で起こしたできごとに朝起きてから気が付き、後悔を繰り返します。
欲望を解き放つのは気分が良い
上述の通り、後々後悔はします。
しかしながら木製仮面を被っている間は、魅力的な時間ににしか感じられていないようです。
双極性障害の僕も、正直、躁状態(軽躁状態)というのは気分が良いです。
コントロールできるなら躁状態でい続けたいとさえ思います。
全能感に満ち溢れ、疲労感はなく、アイデアは産まれ続け、周囲からは輝いて見えるほどです。
ただし、散財など他にもよろしくないことが多発します。
つまり翌朝起きてマスクが外れたイプキスと同じで、躁というマスクが外れたあとは、出したくもなかった欲望による後悔と自己嫌悪にさいなまされるのです。
映画マスクに救いがあるのは、マスクに頼らないという決心がついて自分をなんとか制御できるようになるということです。
躁状態が生じる病気だと、被りたくないのに定期的にマスクを被せられてしまうような感じです。ひどいやん。
躁状態の接し方
では周囲の人はどうしたらいいのでしょうか。
どうしたらいいんでしょうね(笑)。
僕も周囲も悩み中ですが、一番はマスクを被らないようにする、つまり症状が現れないようにすることです。
躁状態を発症させない(そもそも論)
双極性障害や躁病だと判っている人には、躁状態を発症させないことが大事です。
- 薬をしっかりと飲み続ける
→木製仮面への耐性を付ける - カウンセリングを受ける
→木製仮面へ手を伸ばさないように心を育てる - ストレスから遠ざかる
→木製仮面を使わなくても充実した生活にする - よく眠る
→躁鬱はとりあえずたくさん寝ろ
たぶんこの4つが大事だと思います。
僕の場合は薬を飲み、休職して仕事上のストレスからは遠ざかっていますが、金銭面や、子育てのストレスなんかはあります。
カウンセリングも考えています、が微妙に高いんですよね……。
また気が付くと睡眠薬的なものを飲んでも眠れなくなっているので、ふと気が付くと木製仮面を手にしているようなものなので怖いですねぇ。
躁状態になったら
躁状態が発症してしまったら、手段は2つです。
- 一緒に踊る
- 封じ込めてマスクを剥がす
一緒に踊る
1つ目の一緒に踊るというのは、映画マスクの主人公イプキスのような、陽気なタイプの躁状態だった場合です。
この場合、良いことだと思って散財したりするので注意が必要ですが、基本的にはほろ酔い気分の如く常に上機嫌で、さらにエネルギーが有り余っています。
一緒に行動しながらエネルギーを消費させて、ちょいちょい軌道修正してあげられたら、それが一番お互いに疲弊しないのではと思います。
進む道を塞ごうとしたり縛り付けようとすると、「跳ねて飛び越えよう!」とか「おもちゃのマシンガンで脅そう!」とか、そういう発想をします。逆効果です。
封じ込めてマスクを剥がす
敵役のドリアンのように暴力に捕らわれてしまうタイプの場合は、2つ目の「封じ込めてマスクを剥がす作戦」です。
つまり、必要に応じて入院させ、落ち着くまで投薬しつつ時間の経過を待ちます。
本人1人で、もしくは配偶者や家族だけでなんとかするにも限度がありますし、危険です。
相手は魔人です。ドリアンです。冗談抜きで。
戦っちゃいけません。
大事なのは病院へ行くこと
どんな状態だったとしても、病院へはちゃんと行きましょう(連れていきましょう)。
ネットでいろんな話を聞いていると「私は病気じゃない!」と言って病院へ行きたがらない人がいるそうです。
そんな場合にはこんな方法はいかがでしょうか。
医者を論破しに行こう!
なんで病気じゃない私が病院へ行かないといけないのか!と反抗するのであれば。
「病院へ行って、医者を論破しに行こう!医者が病気じゃないと認めれば、もう何も言われないぞ!」と返してみるのはいかがでしょうか。
要は病院へ行ければいいのです。
躁状態なんて、本人は全然わからないけど周囲からは異常だとすぐわかるので、連れてったもん勝ちです(笑)。
ちなみに本人だけだと行ったフリをする可能性も高いので、同伴できるなら同伴しましょう。
場合によっては「通院して様子を診ないとわからない」とか言われるかもしれませんが、「奴を論破するまであと少しだ!また行ってやろう!」とか煽れば良いんですよ。
大事なのは通院すること。
同じ程度の躁状態が長引くことは少ないと思います。
次行くときにはさらにレベルの上がった躁になっているか、通常に戻っているか、鬱になっている可能性もあります。
そのように差が出ていれば、医者も診断しやすいでしょう。
もう一緒に居ることが耐えられないとなれば、入院して対決するという風にストーリーを作って、本人と一緒に医者を説得しに行くのもいいかもしれません。
本人も乗り気で入院の話ができるので。
まとめ
まー、とにかく一度は「躁状態の症状だ」と思いながら映画マスクを観てみてくださいよ。
僕はこの映画(というかジム・キャリー)のファンですが、そう思いながら鑑賞したところ、元々そういう狙いがあるんじゃないかなと勘ぐってしまうほどです。
そして躁状態との付き合い方は、基本的に「いなす」ことが重要です。
抵抗しちゃいけません。相手はマスクです。勝てません。
上手に誘導して、着地させてあげるのが可能ならベストです。
と、双極性障害の患者が言うと虫が良く聞こえてしまいますか?(笑)
●躁状態について少しは楽しく伝えられるようになった気がする!
●躁状態と映画マスクの関連性について整理できた!
→次に躁状態になっても、マスクになりきれる気がする!!(良いのか?