自転車車載動画用に、どうやったらアクションカメラをうまくマウントさせられるか悩んでおりました。
その悩みに、ついに結論が出たのでみなさまと共有したく……。

辿り着いた答え
候補になった取り付け方
※前提として、多少は手振れ補正のあるアクションカメラを利用することとします。
ちなみに僕はOsmo Pocketというジンバル付きカメラと、GitUp2というアクションカメラを所有しています。

Osmo Pocket

GitUp2
今回、いろいろなマウント方法を検討しました。
- 自転車マウント(ハンドル)
- 自転車マウント(フレームorハブ)
- 自転車マウント(Z軸スタビライザー使用)
- リュックサックマウント
- ヘルメットマウント(通称:トノサマウント)
- ネックマウント
結局、全部試しましたよ。
順番に説明していこうと思います。
自転車用アクションカメラマウントに求められるもの
マウント方法を説明していく前に、自転車用アクションカメラマウントを考えるときに求めるポイントを整理します。
- 画像がブレない
- カメラが正面を向く
- 付けていて違和感がない
- 液晶画面を確認しやすい
- 不審者度が低い
- 総合的に安い
画像がブレない
自転車車載動画において、これが一番大切じゃないでしょうか。
ブレる車載動画は、酔いの元です。楽しそうな動画でも気持ち悪くなってきます。爽快な自転車旅行記が台無しです。
画像をブレさせないためには、いかにアクションカメラに振動が伝わらないようにするかがキモです。自転車車載動画の場合、自転車にマウントするよりも身体にマウントする方が、身体がショックを吸収してくれるのでブレない映像が撮れます。
しかし後述する装着時の違和感が生じやすいので、悩ましいところです。
カメラが正面を向く
当たり前のことですが、正面向いてくれないと困ります。
でも、マウント方法(特に身体への取り付け)によっては正面向けにくかったり、正面に調整しても簡単にズレてしまったりします。
付けていて違和感がない
カメラをマウントしていて違和感があると、どうしても気になってしまってライドに集中できません。ということは事故を誘発しかねないということであって、できる限り違和感を減らさなくてはいけない。
どういった場合に違和感が生じるかというと……
- 手や腕、足の当たりやすい場所についている
- 身体の外側についている
- 身体をひねった時に遠心力が生じる
1はわかりやすいですね。よく動かす部位が当たりやすいと、意識して避けたり、ぶつかったときに正面向いてるかなど確認したりと、必要な動作が増えてそれが違和感の元となります。
2は重心の問題。アクションカメラは軽くて小さいとはいえ、できるだけ身体の中心に近づけて設置した方が重さでアンバランスにならずに済みます。
例えばヘルメットの横に付けるタイプのマウントをすると、付けた側に重さが掛かり続けるので、割と肩や首が凝ってきます。
3はちょっと説明しづらい。身体をひねった時に遠心力が生じやすい設置方法だと、動いたときにアクションカメラがワンテンポ遅れてついてくるので、それが違和感となります。
あとは結構しっかりと保持しないとプラプラして違和感を生じやすいので、そのあたりも注意が必要ですね。
液晶画面を確認しやすい
- カメラが正面を向いているか
- ちゃんと録画開始しているか
- 電池残量はどれくらいか
など、マウントした状態のまま確認できるのが一番です。
いちいち外したりしないといけないマウント方法はできるだけ避けましょう。
不審者度が低い
わかりやすく言いましょう。
トノサマウント、きみのことだ。
頭にちょんまげの生えるトノサマウントは怪しいです。怪しいと思わなくても、何かの番組を撮影してると思われかねません。そのくらいカメラが突出して目立ちます。
アクションカメラを身に着けていると、それだけで不審者度は何割か上がってしまいます。それ以上不審者度を上げないように気を使ってみましょう。
総合的に安い
ですが耐久性の面が劣りすぎると振動で壊れるかもしれないので、その点は要注意です。
ではどこで無駄な費用を削るか?
僕みたいにいろんなマウント方法を試しては「違う!」「ダメだ!」と迷走しないのがまずは大切です。僕みたいな人柱はそんなに必要ないと思います。
個人的には、有名どころのマウントパーツがあればそれを使えば良いと思います。REC-MOUNTとか。
良いものを、迷走せずに揃える。これが総合的に安く収まります。
マウント方法検証
それでは候補に挙がっていたマウント方法(↓)の検証をしましょう。
- 自転車マウント(ハンドル)
- 自転車マウント(フレームorハブ)
- 自転車マウント(Z軸スタビライザー使用)
- リュックサックマウント
- ヘルメットマウント(通称:トノサマウント)
- ネックマウント
1.自転車マウント(ハンドル)
最初に考えていたアクションカメラのマウント方法。
こんなの(↓)で自転車の主にハンドル部分へ取り付ける方法です。
身体へ取り付けずに自転車へ取り付けるため、最も身体への負担は少ない方式。
しかしながらこれは地面からの振動がアクションカメラへダイレクトアタックするので、観られる映像ではありませんでした。映像に合わせて首がガクガクして首を痛めるレベル。そもそも酔う。
アップされている動画で自転車マウントなのに綺麗な映像になっているものは、恐らく高級な素晴らしい補正機能の付いたアクションカメラを使っているのだと思います。たぶん。
2.自転車マウント(フレームorハブ)
上記自転車マウントで「主にハンドル部分へ取り付ける方法」と書きましたが、自転車マウントで一番良くない場所がハンドルへの取り付けだと言われています。実は。
前にちょっと出っ張った部分なので、要は振動を増幅してしまう箇所なのだと。
ということで、フレーム部分もしくはハブ部分にアクションカメラを取り付けると振動がだいぶ抑えられるハズとの情報を得たので、ハブに取り付けてみたり、フレームマウント用のテスト機材を作ってみたりして実験してみました。

フレームマウント
【フレームマウントの結果】
ハンドルへの取り付け時よりだいぶ振動はなくなったと共に、ハンドルの左右への動きから独立しているので見やすい映像にはなりました。
例えば自転車は割とちょいちょいハンドルが左右に振れているので横ブレしますが、フレームはそこまで振れていないので横ブレしません。
となるとハンドルに付けたアクションカメラよりも横ブレの少ない映像が得られます。
横ブレは減り、縦ブレもハンドルに取り付けたときより減ったのでだいぶ改善された映像が得られるようになりました!
……だいぶ良くなったんだけど……
実はこのフレームマウント、シフトワイヤーなどに干渉して、ハンドルをちょっと大きめに切るとキュッキュと音がします。これは良くない。映像的にもノイズになるし、ワイヤーにも擦れてよくありません。干渉面にスポンジを挟んだりしましたが。気休めにしかならなさそうでした。
さらに自作フレームマウントは重たいしフレームに傷がつきそうだったので、結局断念しました……樹脂製でワイヤーに干渉しないのが存在したらアリだったかも。メーカーさん作ってくれないかなぁ!?
3.自転車マウント(Z軸スタビライザー使用)
縦揺れ振動を抑えたら良いじゃないか、ということでZ軸スタビライザーなるものを導入。
Osmo Pocket専用ですが、これがなかなか面白い。
試してみたところ、歩いているときの上下する振動くらいなら割と吸収してくれて、映像が滑らかになる効果があった。他のアクションカメラ用にも似たようなのはあるんじゃないかなぁ?
これなら自転車の振動も吸収してくれるはずや!と思い、自転車に装着して撮影。
結果は残念。
振動を多少吸収するが、段差などで大きくガタつくと映像に波がでるようなブレが発生する。これがとにかく酔う。たぶん吸収許容外の振動に対してはむしろ増幅してしまうのかも……?
ここまで自転車からの振動対策をしてもダメなら、自転車に取り付けるという考え方を一度リセットしよう。
ということで、ここからは身体へのアクションカメラ取付方法を探り始めます。
4.リュックサックマウント
手元にクリップ式マウントがあったので、リュックサックの肩紐部分へ取り付けて撮影してみました。
結果、肩紐のちょっとした傾き加減の変化でカメラ方向が変わってしまい、あとで見返すと残念な映像になっていました。(あぁ、もうちょっと左がみたい、もうちょっと右がみたいとなる)
キャップに挟んで取り付けるのはありかもしれない。ちょっと頭が重いかもしれないが。簡単に取り外せるので、画面を見るのも簡単かも。でも今回は不採用。
5.ヘルメットマウント(通称:トノサマウント)
自転車車載やバイク車載では一昔前まで流行っていたこの方式。試してみましたがやっぱり怪しいのと、軽量なアクションカメラでも頭に取り付けるとヘルメットの重量と相まって違和感が半端ないです。
怪しい・重い・画面見られないの三拍子で落選です。
6.ネックマウント
当初は全然眼中になかったマウント方法です。
そのままつけると(Osmo Pocketの場合は)長さが短いので、延長アダプターを取り付けました。
首にぶら下げるこのマウント方式、映像を見てみると意外や意外、FPSゲーム画面やB級映画みたいな臨場感ある映像が撮れました。
身体でショックを吸収しているので振動もそれほどありません。
身体を大きくひねらないとカメラの方向も正面から動かないので、安定した撮影が可能でした。
見た目の怪しさも身体のシルエット内に収まっているので許容範囲では……?正面からみたら細ネクタイっぽく……はないか。
後は延長アダプターを付けるメリットがいくつかあります。
まずは映像にときたまハンドルが映ったりもするので、”自転車車載動画らしさ”が生まれます。
胸元あたりにカメラがあるので、液晶の確認も簡単です。
あとはOsmo Pocketオーナーは延長アダプター付けないとアゴが映る恐れが(僕は映る)。広角のアクションカメラでも、延長アダプターなしだと下向いたときにアゴや鼻が映ったりするかもしれませんね。
デメリットは、ダンシングするとめっちゃ揺れます。まぁそんなにしないからいっかと僕は切り捨てました。
結論:基本はこの2つを買えば良い
ネックマウント
ネックマウントは有名どころがありません。
なので何でもいい……と言いたいところですが、できれば「ロック式」というのが良いでしょう。
なぜなら通常のネックマウントは首の後ろ側が空いており、そこから首に通すようになっています。
ここが空いていると、ダンシングや急ブレーキなどの衝撃ですっぽ抜ける危険性が少なからずあるからです。
ロック式では装着後に空間はできないので、脱落の危険性はありません。
↓ロック式ネックマウント
延長アダプター
首元に直接カメラを付けるとちょっと液晶画面が見づらいです。
大丈夫な人はそれで良いですが、僕はそれだと困る人なので延長アダプターを付けました。あとメインで使っているカメラ「Osmo Pocekt」が縦長形状なので映像にアゴが映る。
僕は延長アダプター付けた方が良いとは思います。ここは安心のREC MOUNT製を推しておきます。
(Osmo Pocketの人は)ユニバーサルポートマウント
Osmo Pocketを使っている人は、このマウントを使うと良いでしょう。
液晶画面が自分側を向いた状態でマウントできます。
装着感がキツいですが、その分脱落しにくいです。外すときはユニバーサルポートマウントに延長アダプターが付いた状態で行うと外しやすいですよ。
(アクションカメラの人は)同軸延長アダプター
Osmo Pocket以外のアクションカメラ(GoProやGitUp2など)を利用する場合は、上記延長アダプターだけだと少し取り回しづらいので、同軸の延長アダプターを追加すると使いやすくなると思います。
これは「なくても良いけど、あると良い」という程度だと思ってください。
たぶんないと、上下反転させて取り付ける必要があり、そうすると液晶が見えづらくなるので……。

上下逆さネックマウント

延長アダプターネックマウント
延長アダプター無しで上向きに付けると、接続箇所の可動範囲が限界に来てしまうので、恐らく撮りたい角度まで持っていけないと思います。うっそだーと思う人は延長アダプターなしで一度挑戦してみましょう。必要ならあとから買い足せばOKだし。