「空を飛ぶ」ってワクワクしますよね!僕はめっちゃワクワクします!(^ω^)
染次郎、実はちょっとだけですがハンググライダー経験もあったりします。
⊂二二二(^ω^)二二⊃ ウェーイ
ワクワクすることについてもっと知りたいぞ!ということで、実際に空を楽しんでいるVTuberさんにスカイスポーツの魅力についてインタビューを敢行いたしました!
お話を聞かせていただいたのは”空飛ぶVTuber”としてスカイスポーツ普及などの活動をされている羽澄ほかぜさんです!
羽澄ほかぜさんについて
染次郎(以下”染”):
それでは最初に自己紹介の方よろしくお願いします。
羽澄ほかぜ さん(以下”羽澄”):
「羽澄ほかぜ」っていう名前で、普段はハンググライダーで空を飛んでいるVTuberなんですけども、YouTubeでハンググライダーに乗った空撮の動画を出していたり、空関係の解説とかをしてたりしてます。
あとはハンググライダーだけやっててもあまり興味ない方もいると思うんで、Twitchとかでゲームをやったりとか、X(旧Twitter)とかで『何となく空関係にちょこっと興味はあるけど入り口がよくわからないな』という人向けにいろいろ活動をしております。
染:
プロフには海外移住の話とかもありましたけど(羽澄さんはオーストラリア在住)、羽澄さん的には二本柱みたいな感じなんですか?それとも空を飛ぶ活動の広めるっていうのがメインで、それに付随してゲームの配信とかと同じような感じで、興味持ってくれたらなみたいな感じで海外の話を入れてる感じなんですかね?
羽澄:
あくまでサブコンテンツの一つぐらいな感じです。
染:
やっぱりメインは空?
羽澄:
そうですね、結局海外に移住してきた理由の一つに「飛びたい」はあるから、そういう意味で言ったらある意味海外に移住してきたのも柱の一つかなとはなりますけど。
染:
そしたらハンググライダーたくさんしたくなったら海外おいでみたいな?
羽澄:
そういうぐらいの考え方ですね。そんな感じです。
飛びたくなったら海外に行ったほうがいいかもしれないです。

ハンググライダーとパラグライダーの違いってなに?
染:
じゃあひとまず空の話なんですけれども、まず私も飛んでたんでよく聞かれるというか勘違いされてるんですけれども、ハンググライダーとパラグライダーの違いについて。
そもそも両方ともグライダーっていうのが(名前に)ついてると思うんですけど、ハンググライダーとパラグライダーの違いと、そもそもグライダーって何ですかっていうところを教えていただけたらと思います。
羽澄:グライダーは「グライド(glide)する」、まぁ英語の『滑空』からきてます。日本語に直すと滑空機って呼ばれる。グライダーの中に、ハンググライダーとパラグライダーっていうのが存在しております。
あとセールプレーンと呼ばれるものもあり、私それもやってますが、今回は省略します。

ハンググライダーとパラグライダーはさらにどういう違いがあるかっていうのは、ハンググライダーは結構硬い翼を持ってて、パラグライダーは柔らかい翼を持ってて。
ハンググライダーでみんななんとなくこうイメージするのは怪盗キッドかなっていう感じはあるんですけど。あとは、えっと特撮関係で知ってる人だったらいるかもしれないですけど、ハリケンジャーとか、スカイライダーとか。そういう感じで硬い翼を持った三角形のタイプがハンググライダーですね。
パラグライダーはそれとは違って、めちゃくちゃ柔らかい、ざっくり言うとなんかパラシュートに似た感じかな。パラシュートっぽい何かかなってイメージしてもらうとわかるかなって思います。

染:よく軍隊とかで飛行機からみんな降りていくみたいなのがイメージされるんですが
羽澄:あれはパラシュートですね。パラシュートはまぁ、真下に落ちてくる。「グライド」するんじゃなくて「シューティング」なんで。「シュート」が基本的に「下に落ちる」だったかな?それとはまた違う、グライドする、滑空するやつがパラグライダーってそういう違いになってます。

染:マリオカート8とかだと、滑空するときになんか出てきますよね。あれの三角形ぽいのがハンググライダー、パラシュートっぽいのがパラグライダー。
羽澄:そうですね、あれがまぁ、なんとなく。パラシュートとパラグライダーもあった。あくまで形が似てるっていうだけですね。
染:先ほどちょっと話に出てきたその「怪盗キッド」は背中からパコッと出てきたりしますけど、ああいうなんか収納できたりとか小型の物って実際あるんですか?
羽澄:ないですね。ハンググライダーはザックリ言うと、人の重さと、かつハンググライダー自体の重さを浮かせます。基本的に私たちが使ってるやつはまぁ20kgくらいから重いやつだと40kgもまぁ無いわけではないんですけど、平均とっても30kgくらいっていうのと、あと人間の重さが60kgとして約合計90kg。装備とかいろいろ考えたらまぁわかんないけど100kg分くらいのものを宙に浮かさないといけないぐらいの大きさなので。実際私たちのハンググライダーは翼長でいうとまぁ5m。5mが2枚。ざっくり10mくらいですね。翼長っていうのは横幅です。その長さだとそれでようやく浮くんで。まぁ怪盗キッドみたいにさすがにね、身長まぁ2m無いくらい、170cm、160cmあたりのものがこうピッと出るような大きさだったら、さすがにちょっと厳しいな。ていうかすごい厳しいです。

染:じゃああれはやっぱりフィクションということで……
羽澄:そうですね。フィクションの世界であれば。
染:ハンググライダー知ってるけど、どうなんだろう?て思ってた身としてはちょっぴりショックです(笑) ちなみに、ハンググライダーとしての活動歴はどの程度でしょうか?
羽澄:ハンググライダーに関しては10年くらい。10年以上かな?
ハンググライダーを始めるキッカケ
染:一番最初に始めたキッカケとなると何があるんですかね?
羽澄:初めてハンググライダーを始めたキッカケは、大学生の頃になんとなくこう新歓ブースなんかでなんとなく「サークル入りたいなぁ」てなって。ちょこちょこいろんなところを回ってたんですけど、そこでハンググライダーのブースのね、先輩に騙されたんですよ、私は(笑)。
騙されて入ったんですよ、ていうのが何かって言ったら。
なんとなく浮遊体験とかで「パラグライダー」を少しだけしたことがあって。なんかちょっとおもしろいなぁと思ってたのは思っていたんで。
実際ブースに行ったら、なんかでっかい、それこそ怪盗キッドが持ってるなんかでっかいよくわからんのもあるなって思って。行ってみたら、これはハンググライダーだって。
「実際このサークルに入ったらパラグライダーで飛ぶことできますか?」って言ったら、全然できるって言ってて。で、先輩に連れられて体験行ったら、実際はそのスクールはハンググライダーしかやってなくて、パラグライダー一切できないっていう感じで。
「あ~騙されたわ~!まぁハンググライダーおもしろいしハンググライダーやるか!」てなったのが飛んだキッカケですね。
染:悪質ですね(笑)
羽澄:まぁでも今となっては別に両方できるし。結果的にパラも教えてもらったんです。けど、まぁきっかけとして、そこで空にいろいろと導いてもらったって言うのがデカいですね。
なので、本当の最初の最初のキッカケで言ったら、家族がなんとなく小さい頃に浮遊体験に連れてってくれてっていうところですね。そこで飛んでみて実際問題ちょっと空楽しいなってなったから、本格的に趣味としてできたらいいなって思ってっていう。そんな感じです。それを大学生の時に実現したっていう形です。

一番多い入り口は「大学サークル」,社会人は「スクール」から
染:小さい「いいな」が積み重なったら始まってた、ていう感じなんですね。やっぱり大学以外だとそういうハンググライダーとかパラグライダーを始めようっていうキッカケってなかなか難しいと思うんですけど、こういうキッカケで始めたんだみたいなお話ってサークル絡み以外で聞いたことありますか?
羽澄:サークル絡み以外ではないです。まぁ親がやってたっていうのは、あるのはあるんですけど、それ以外でまぁ聞くのは、社会人が結構そのスクールっていうところに入ってくるんで、そこだったら、定年して「なんか飛んでみたくなった」とか「時間が空いた」とか。
あとは社会人になって新しい趣味を始めようと思って飛んでみたみたいな。そういう人たちもちょこちょこ見かけたり。ある程度時間ができたから飛んでみるっていう人と、新しいことをしてみたいから飛んでみるっていうその二つが多いですね。
染:スクールに集まってくるというか、入ろうとするよっていう話なんですけど。社会人のハンググライダーとかパラグライダーのスクールってどうやって探してこられるんですかね?
羽澄:やっぱインターネットでハンググライダー体験とか調べて。「まぁ1回体験してみようか」みたいなのも始まりとしてあって。
で、やってみる。まずは体験からっていうのがスタートなんで、面白かったら飛んでみたら、趣味として始めたらいいよっていう。機材の値段に納得したり、全部リスクも納得したうえで始めるなら良いよっていうものであって、最初はすべて体験ですね。

染:ちなみに機材やリスクって言うのは、勧誘するときにどういうところを最初に紹介するんですかね?
羽澄:ざっくりは「値段はどれくらいかかりますよ」っていう風に。初期費用とランニングコストとかその辺の話をしたり。まぁ一応「人間は空を飛べないんだよ」っていうお話しで、リスクスポーツではあるよっていうお話しぐらいはサポートします。
スカイスポーツのリスク
染:「人間は空を飛べないんだよ」というのは。
羽澄:うん。なんかあったら落ちるよ、っていうことですね。そりゃ一応高い所から落ちると人間は死ぬっていう。それはどうしても。とはいっても、じゃあ他のスポーツより危険かっていったらまぁ似たようなもんで。車も60km/hでぶつかったらそりゃ死ぬし、バイクも似たようなもんだし。っていうところですね。
染:やっぱりハンググライダーとかパラグライダーで空を飛ぶっていうと、危なくない?ってよく言われると思うんですよね。それに対しては危険じゃないみたいな認識でいいんですかね。
羽澄:うーん、私としても、危なくないか・危ないかでいったら危ないって思ってます。それはほぼ間違いなく危ないと思ってます。さっきも言った通り、人間は空を飛べないので。そういう意味で言うととても危ないですけど。まぁ機体という翼があって安全なんで、問題はないかなっていう所ですね。
染:最初に説明される通り、危ないんだよって言うことをちゃんとわきまえたうえでやれば、まぁ安全に飛ぶことができるんじゃないの、っていう感じなんですかね。
羽澄:そうですね。車の免許取るときも軽く説明されると思うんですけど、車っていうのは基本的に危ないもんなんで。車はこう運転してて、その塊は60km/hでぶつけに行く可能性がある。とても危ないもの、人を殺しかねないものではあるんで、ある程度そういうリスクを理解したうえで、まぁ車だったら便利さとかあったりするけど、ハングの場合は便利っていうのは一切ない、単純におもしろいっていうものですけど、まぁ結局はある程度天秤にかけるところではありますね。
ハンググライダーの魅力
染:リスクを負ってまでなんで空を飛ぶのか。そこの魅力ってたぶんアレもコレもってあると思うんですけど、実際「これがいいから遊んでるんだ」みたいなのってありますか?
羽澄:う~ん、なんですかね。今となってはただ飛んでるだけなんで。楽しいから飛んではいるんですけども、さすがに10年以上やると、ただただ日常生活に組み込まれてるから、とりあえず飛ぶかってなる。飛ぶっていう感覚でもう楽しい。うん、なんだろう、わかんないんでしょうね(笑)。なんか楽しいから飛んでるけど。プカプカ、ダラダラ、なんも考えずに浮いてられるのは好きだし、クロスカントリーっていう遠くに飛ぶのは、新しい自分の知らない世界を見てて楽しいっていうのはありますね。

染:自分の知らない世界っていうのは、どういう世界なんですか?
羽澄:クロスカントリーって呼ばれるものがハンググライダーの競技にもあって。ハンググライダーは、山からペッて飛んで下にスッて降りるだけではなくて。2,3分とか10分,15分で降りるとかそんなんじゃなく、2時間,3時間、飛ぼうと思ったら6時間,7時間、なんなら12時間以上飛べる、そんなスポーツなんですけど。その時になんとなく私が普段ダラダラと2時間とか飛ぶときはあんまり何も考えずに上昇気流をさらっと捕まえて、飛びたいところに飛んで、降りるべき場所に降りるっていう。それとは違うクロスカントリーフライトっていう競技が存在するんですけど、そのときだとどうしても今まで自分が行ったことない場所に行く必要があるんで。

いつも飛んでるエリアだったら、まぁこの辺に行けばだいたい見知った友達がいて、まぁここで上昇気流があって、この辺で適当に(高度を)上げて、最終的に降りるってなったらパパって降りたらいいかなっていう。そんな感覚で飛べばいいんですけど。
クロスカントリーフライトの場合は(上昇気流の発生場所を知らないので)どこが上がるかもわからないし、そもそもどこに降りたらいいかもわかんないし、降りるときも何があるかもわかんないって。本当にめちゃめちゃいろんなことに挑戦しないといけないっていう場面がたくさん存在してくるんですけど。それは本当に、なんだろう、自分で新しいことに挑戦、もちろん安全マージン込みで、自分でどこまで挑戦できるのかっていうのがあります。
まぁ楽しみ方の一つとしてはプカプカ何も考えずに飛ぶのも楽しいし、飛んだことのないエリアで、どんな状況なのかわからないっていう中でスタートとゴール設置された環境で飛ぶって言うのもそれはそれで新しい刺激になってるぞと。
染:じゃあハンググライダーとかパラグライダーに興味がある人って「空飛んだら何が楽しいんだろう?」て思うのもちょっとキッカケとしてあると思うんですけど、その時こういうことが楽しいんだよってオススメするなら、そういう「プカプカ飛んでると気持ちよくて楽しいよ」とかそういうところを推していくイメージなんですかね。
羽澄:私はあの「なんで飛んでて楽しいねん」ていうときにクロスカントリーフライトのところは推すことは絶対無くて。なんでかって言ったら、このクロスカントリーフライトって言うのは、なんだろう……ランニングしてるけどマラソンに出たいとか、自転車に乗ってサイクリングしてるけどレースに出たいとか、適当にスイミングしてるけど海の遠泳に行きたいとかなった。そういう感じで、結構頑張らないといけないところになってる。
ただただウォーキングで健康になりたいよとか、自転車でちょっと出掛けて美味しいもん食べに行きたいよとか、サイクリングロードで風を感じたいよとか、スイミングして気持ちいいよ、痩せたいよとか。そういう感覚でやってる人たちに「大会めちゃくちゃおもしろいから出たらいいで!」ていうのはあんまりオススメしてない。クロスカントリーフライトっていうのはそういう存在なので。
なのでできれば「プカプカ浮いてるのが楽しいよ~」ていうのをなるべく出すようにしてます。
染:じゃあ空の楽しみっていうとまずはプカプカを感じてもらって、そこからいろいろ、深い沼にハマってきたらクロカンとかがあるんだよっていう風に導くイメージなんですかね(笑)。
羽澄:そうです、基本的にそんな流れです。
今まで飛んだ珍しい所
染:空に興味ある人からの(事前に聞いていた)質問なんですけれども、「いままで珍しい所で飛んだことありますか?」っていう。
羽澄:一般の人から見て「飛んでてすごいな」って思う所は、愛知県にある高塚っていうエリアがあるんですけど。

そこだったら高さ80mくらいの山っていうか丘っていうところなんですけど、そこで上手く上昇気流をずっと捕まえると2時間,3時間、当たり前のように飛べる。そんな場所なんですけど。普通の人からしたら「80mのところから飛んで2時間も飛べるんだ!」て思うかもしれないかな。そういう意味では特殊なのかなって。
その近くに私が見学だけしに行った伊良湖岬っていうところが、愛知県渥美半島のところにあるんですけど。そこの高さはなんと30~40mくらいですね。そこも上昇気流を捕まえて飛ぶと2時間,3時間ざらに飛べる場所なんですよね。30~40mくらいっていうと10階建て~15階建てマンションくらいですね。

染:飛んだことのない人間からしても、飛んだことのある人間からしても、すごい不思議なおもしろい場所。1回浮いちゃえばどんどん高い所に行けるよっていうのがハンググライダー,パラグライダーなんですね。
パラグライダーやハンググライダーをやってみたい人はどうすれば?
染:実際にパラグライダー,ハンググライダーをやってみたいよ、てなったら……まずは体験があるんですよね?
羽澄:うん、そうですね。
染:それは検索したら出てくるような、いわゆるタンデムとかそういうやつですかね。
※タンデム……二人乗り。インストラクターさんが操縦する機体に乗る。

羽澄:今もう日本でタンデムできるところっていうのは、ハンググライダーに関しては日本で一軒しかなくて。それが山梨県の忍野村っていうところでしかやっておりません。なのでパラグライダーだったら可能なんですけど、ハンググライダーをやりたいってなった場合はタンデムっていうのは忍野村以外ではできません。
染:(なんと、知らなかった……!)そしたらなにかしらスクールやサークルに入って、ちょっと浮く、みたいなことをやらせてもらうのが始まりなんですかね?
羽澄:サークルに入る必要はなくって。体験スクールっていうのは、タンデム飛行っていうのと浮遊体験っていうのでざっくり二つに分かれているんですけど、そっちの浮遊体験の方ですね。
実際にその浮遊体験で飛ぶのってだいたいまぁ3m、4m……まぁ10mも絶対行かないぐらいの高さですね。景色が良いとかっていうのは3m~5mだったらあんまりないんですけど、空飛ぶ感覚っていうのは別に3m飛ぼうが1,000m飛ぼうが2,000m飛ぼうが別に何も変わらないので。
実際「空飛んだらどんな感覚なんだろうか」っていうのが最初にわかるにはそういう浮遊体験があります。

染:浮遊する感覚の違いっていうのは、やっぱ飛んでみないとわかんないよっていうところなんですね。
羽澄:そうですね。なんか地面から浮いてて楽しいな、おもしろいなって思ってくれると……私みたいにちょっと「プカプカダラダラ飛んでるのがとても楽しい」と、そういうことに繋がってくるんで。
染:「これがずっと続くんなら楽しいんじゃないかな」とか、そういう風に思えるんであればちょっと向いてるんじゃない?って。
羽澄:そうですね、そんな感じですね。
染:そこでもう「あ、無理無理、怖い怖い」てなっちゃうんだったら、ちょっと考えた方が良いかもしれない、みたいな。
羽澄:うん、そこはもう「考えた方がいい」ていうか、やめといた方が良いと思います。
染:まぁ空中でパニくっちゃうことほど怖いものはないですもんね。
羽澄:そうですね、私ら(教える側)もたぶん預かれないんで……どうしても。
染:じゃあ最初の浮遊体験っていうところで、自分に適性があるかどうかっていうのを確認してみるっていうのが一番いいですね。
そこから実際に「じゃあ飛んでみよう」ってなったら、その浮遊体験とかしてるところから相談したら、スクールみたいなのがあるよ、ていうのを教えてもらえるんですかね?
羽澄:そうですね。こういう浮遊体験をしているのは基本的にスクールだけなので「じゃあそのままよろしくお願いします」て流れなんです。だからそのスクールの雰囲気とか見てもらって、なんかまぁおもしろいかなって思ってもらえたら入ったら良いし、単純に「人間関係が合わんな」てなったら、それはそれで別に全然入らなくてもいい。
飛んでる途中で壊れたりしない??
染:最初に「我々元々飛べるような生き物じゃない」っていう話があったんですけど、それを飛べるようにする道具がハンググライダーだったりパラグライダーだったりすると思うんですけども。そういう道具を使ってて「危ない」とか「怖い」とか、そういうイメージってあると思うんです。
昔のリリエンタールとかグライダーで飛ぼうとしてた偉人がいるじゃないですか。なんかうまく飛べなくて、翼が折れて落ちるとか。うまく飛べなくて骨折するとか。そういう逸話がたくさんあって、詳しくない方からするとそういうイメージがあると思うんですよ。実際今ってそういうのあるんですか?飛んでる途中に翼が折れるとか。

羽澄:ええと、ないですね。もう「基本ないもの」と思った方が。そうですね、このハンググライダー,パラグライダーの歴史で言ったらざっくり言うと最低限40年ぐらいはあるんで。半世紀は流石にちょっと言い過ぎですけど。それぐらいあるんで技術の進化とか……もちろんね、一番最初の方、どうしても昭和の時代とかはまだ開発途中で結構落ちたりって事故はいっぱいありました。そういう犠牲があったからもっと改良していこうとか、そういうことがあって、毎年毎年時を経ていくごとに改良がくわえられていって、結果的に今のやつになってる。そう簡単にそういう「途中で壊れる」ってことは起きなくなりました。
染:じゃあもうだいぶ道具としては成熟したものになってると。
羽澄:そうですね。
染:なんで「落ちる」とか「折れる」のイメージが強いのかと考えたら、鳥人間コンテストのイメージもあると思うんですよ。

羽澄:鳥人間はワンオフでルールに合わせて軽く作ってるところがある。ハングの場合は2時間,3時間、10年20年使うっていう前提で作られているもんなんです。
染:じゃあ前提が全然違うものだっていう。
羽澄:そうですね。破壊試験ももちろんこっち(ハンググライダー,パラグライダー)はしてます。
染:じゃあいろんな試験もすでに経ていて、量産品になっているレベルっていうことは、もう空の車みたいなものって思っちゃえばいいんですかね。
羽澄:まぁ……飛行機ですね。
染:そうか、飛行機!(笑)
羽澄:単純に航空機なんです。
染:なるほどなるほど。もう飛行機として成り立ってるくらいの、(安全性)ていうことなんですね。
羽澄:そうですね。なので飛行機が上空でぶっ壊れないのと同じで、ハングも上空でぶっ壊れることもない。でも黎明期の飛行機だったらぶっ壊れる可能性があるっていうことですね。
染:昔の飛行機、本当に最初の頃って「星の王子様」の作者とかスゴい時代に飛んでましたよね。生きて帰れるかどうかみたいな。それからだいぶ時を経て、ちゃんと今は飛行機って交通事故よりも事故率少ないみたいな。
羽澄:そうですね、ハンググライダーも交通事故よりは全然少ないですね。
染:ちなみに空中衝突って起きるんですか?
羽澄:空中衝突は基本的に気を付けてるんで、起こることはまずないです。私が聞いたことあるのは今までやってて1件だけですね。それも直接見たとかじゃなくて「なんかそういうことがあったよ」みたいな。私がオーストラリアに来た時点で聞いてるお話しなんで4,5年前くらいになんかあったよっていう話を聞いたのはあります。
染:でもそれくらいなんですね。
着陸場所とかって決まってるの?
染:先ほどクロスカントリーの話の時に、降りるべきところじゃないところには降りないでゴールに向かう、みたいな話があったと思うんですけど。降りるべきじゃないところ・降りるべきところっていうのがハンググライダー,パラグライダーは設定されてるってことなんですよね?
羽澄:そうですね。前提条件として、ハンググライダー,パラグライダーっていうのはまず航空法における航空機じゃないんですね。航空法上の航空機は全部、飛行場から飛んで飛行場に降りるっていうことをしないといけないんですよね。(※例外もある)

なんですけど、ハンググライダー,パラグライダーっていうのはそもそも航空機じゃないので。どっから飛んで、どっから降りても極端な話良いんですけど、まぁそうすると近隣住民に迷惑がかかったりとか、危険だったりっていうのがあったりするんで、自主的に制度を決めて。免許も存在します。なので自主的な免許を持って、かつエリア(飛んでいい場所)を自主的に設定してあげて。そういうところはちゃんと「ここの場所から飛んでくださいよ」というテイクオフ/離陸場って呼ばれるところと、ランディング/着陸場って呼ばれる、この二つが存在しています。
なので基本的に普通に飛ぶ場合はテイクオフ/離陸場から出て、ランディング/着陸場に降りるっていうのが飛んでいい場所っていうところですね。

染:ちなみに「これもうだめだ、降りるしかない!ていうか落ちる!」みたいなときは、もうそこに降りるしかないと思っていいんですね。
羽澄:そうですね、もうどうしても緊急回避の場合にはまぁ一応どこに降りても。まず自分の命が最優先。人の土地で死ぬと一番迷惑かかるんで、まず死なないようにする。
染:じゃあ「車で故障したから、なんとかうまいこと空いてるスペースに寄せた」みたいな。そういうイメージなんですかね。
羽澄:例えばブレーキが効かなくなって、けど人とぶつかって殺してしまうとかそういうことするぐらいだったら、民家にどうにかして壁をこすりつけて止まって。そっちの方がまだましだよねっていう。
染:ベターを探していくって感じなんですね。
飛行中に最も焦った経験について教えていただけますか?
染:今まで飛んでて一番焦った場面ってどんなのがありますか?
羽澄:一番焦ったっていうと、ランディング/降りるべき場所を見失ったときですかね。1時間,2時間くらい飛んでて、そろそろ降りたいなってなったんですけど「あれ?降りる場所どこだ?」てなって。「場所わからん」ってなったのは結構焦りましたね。

染:たしかに、空には標識とかないですもんね。あっち側見ればいいみたいな。GPSみたいなのはあるんですか?
羽澄:GPSはもちろんあるんですけど、それはあくまでオプションで積んでも積まなくてもです。あくまでクロスカントリーっていうのに行く場合に積むことが多いものなんですけどね。クロスカントリーに行かないような初心者の時はGPS必要ないから積んでないんですけど、そうなったら ランディング/降りるべき場所 はどこにあるのかっていうのは目視で覚えとかないといけないんで。そうなるとなんかもうわからんってなったり。
染:ちょっと長めに飛んで、なんならちょっと知らない場所まで足延ばして戻ろうかな……てかここどこやねん!みたいな状況になるっていう感じなんですね。
ハンググライダーを始めるにあたっての初期費用
染:「実際お金ってどれくらいかかるのか」って、これからやりたいなって思う人は凄い気になると思うんですよ。始めるのにかかる費用ってざっくりおいくらぐらいします?
羽澄:うーんとね。計算してきたんですけど、結構かかります。全部新しく買うっていう前提なんですけど、まずスクールに入校すると……まぁ一括払いのところもあるし、月払いとか年払いのところもあったりするんですけど、ざっくり二年で卒業するぐらいの感覚で、だいたい年間でまぁ8万円くらいかな。それぐらいはかかります。そこにプラスでハンググライダーは機体本体ですね。この機体がやっぱ一番高くて。いま結構高くなっちゃって90万円をちょっと超えるかなっていう感覚になってきてる。それぐらいですね。お求めやすい機体でそれぐらいかかる。なので100万円強ですね。
染:「100万円ぐらいかかるよ」っていうのを覚悟しておくとダメージは少ないかな?っていう感じですね。
羽澄:あとはハーネスって呼ばれる寝袋みたいなものに入って飛ぶんですけど、それがだいたい10万円くらいなんで。あといろいろパラシュートとかも10万円くらいするから120万円くらいかな……だいたい100万ちょいですね。

染:ランニングコストになるとどれくらいかかりますか?スクール卒業しました、機体も持ってます、の状態から飛び続けようかなって思ったときに、毎回かかる……車だったらガソリン代とか車検代,駐車場代がかかると思うんですけど。ハンググライダーの場合はどういうランニングコストがかかるんですかね?
羽澄:ランニングはほとんどかからなくて。実は。
何かって言ったら、まずは車で言う自賠責保険です。まぁJHF(日本ハング・パラグライディング連盟)のフライヤー登録っていうのもしないといけないんですけど。これがだいたい7,000円だったか、それくらいするはずなんですけど。
あとエリアに行くために車を使う。エリアっていうのは山に行くことになる。基本的に辺鄙な場所にあるんで、基本的には車でしか行けません。
あとはエリア使用料っていうか。みんなでそのエリアを管理してるんで。降りる所の草がぼうぼうだったらちょっと降りにくいなぁとかあるんで、みんなで草刈りするときに道具だとかそういう整備するために必要なものを買ったり。いろいろそういう維持費っていうのがあったり。あとは……降りる場所の土地を借りてたりというのもあるんで。そのエリアの管理費っていうのが安い所,高い所いっぱいあります。
まぁそれで保険代と合わせてざっくり合計3万円くらい。実はこれだけです。これ以外はかかりません。

染:車検みたいなのはないんですかね?
羽澄:そうですね。点検費用っていうのは一切ないので。だからエリアを使用するのと、保険に入るっていう、その二つだけですね。
染:じゃあ最初の峠さえ越えてしまえばあとは、ていう感じなんですね。
羽澄:そうですね。道具さえ買ってしまえばあとはもう全然っていう。道具買って一人前に飛べるようになったら別に何もいらないです。
染:そう考えると、先ほど「だいたいサークルで勧誘されて始まる」みたいな話があったんですけど、大学生が始めるにはわりとハードル高めではあるんですかね?
羽澄:そうですね。まず100万円っていうのはやっぱ用意しないといけないっていうのがあるんですけど、ここがサークルの良い所で。
やっぱりある程度、四年間やってる人が結構多い所なんで、「最初に新規で90万円ぐらいで機体買えるよ」って言ったんですけど、二回生,三回生,四回生ってなってくると、どんどん初級機って呼ばれるものから中級機,上級機っていうのにどんどん乗り換えていくっていう、良いグライダーに乗り換えたりすることがあるんで。
そこでじゃあいらなくなったグライダーはどうするかって言ったら、要は中古として後輩に売り渡すことができます。中古で買うと、90万が50万になったり、40万,30万になったりするんで60万くらいで始められるかなっていう、そんな計算です。
染:まぁ気楽にという値段ではないですけど、40%オフくらいまでになる。その中古の機体もそのスクールの方々がチェックしてるんで、まぁ安全なものだよっていうのは保証されているような状況で。
羽澄:そうですね、先輩が先週まで飛んでた機体を、もう次の週から自分の機体として使うみたいな。そんな勢いで買えるんで、まぁ全然問題なく。
染:それさえ越えてしまえば、あとはランニングコストが安いからなんとかお金貯めて中級機,上級機と言う選択肢もあるし、初級機をそのまま乗っても良いし、みたいな。
羽澄:そうですね。プカプカ乗るだけだったら全然初級機で良いし。実際、別に初級機だろうが中級機だろうが上級機だろうが、10年は余裕で使えます。ハングに関しては。20年は使うとちょっとあれだけど、15年くらいは全然使えるんで。
染:ひとまずそれでずっと乗って、さすがに15年も経ったら次にまぁ変えようかな?とか。
羽澄:まぁいい加減モデルチェンジもだいぶ始まってるしなっていう感覚ですね。
ハンググライダーを始める年齢
染:まぁ大学生から15年だから、35歳とか40歳とかなってくると思うんですけど。まさに今30歳とか40歳,50歳っていう年齢の人でも始められるんですかね。
羽澄:そうですね。最初の方にも言ったんですけど、結構定年してから始めましたよとか、子供が大きくなって手が空いたから飛びますよっていう人たちも全然いるんで、結構40とか50代,60代、この辺は割といます。30代とかでやる人はそういう意味ですとちょっと少ないんですかね。新しい趣味を始めたいなっていうわけでもないし、なんとなく「結婚費用もちょっと貯めたいな」とかもあったりするし、お金のいる時期だと思うので。
染:じゃあ結構年いってる人とかでもあまり心配しないで飛び込んで良いよって感じなんですね。
羽澄:そうですね、全然問題はないです。
染:では気になったら年齢なんか考えずにまずはどんどん浮遊体験来てよ!ていうところですね。
羽澄:そうですね。浮遊体験に関しては誰でも飛べるんで。趣味として始めるのはあくまでそのお金の条件をクリアして、浮遊体験やってみて。かつそれが面白くって。かつそのサークルの雰囲気がおもしろそうだなって思ったら。
染:年齢気にして「俺なんかみたいなのは」ていうのはもう考えなくていいよっていうのはデカいですね。「昔やってみたかったんだけどな」ていう、大型バイクみたいな、そういう人多いと思うんですけど、全然気にしないでまずはおいでよっていうかんじですね。
羽澄:そうですね、「昔やってみたかったんだよね」はたまにいたりします。
どんな人に飛んで欲しいか
染:ちなみにいろいろと「飛ぼうよ!」ていう活動をされてると思うんですけど、どんな人に音で欲しいとかってありますか?
羽澄:全員にオススメと言ってはいるんですけど、なにかって言ったら別に趣味として始めるのはハードルが低くはない趣味、高いとは私は思わないけど低くはない趣味なので、皆に飛んでみて「人生の実績解除」と。ゲーマーみたいな言い方しますけど。「俺、生身で空飛んだことあんねんで!」ぐらいな、「俺、初めて空飛んでみたったで!」ぐらいな感覚でいいんで。
それで浮遊体験ちょろっとしてみてくれた、そこで飛んでみて「予想外にこれおもしろいな」てなる人が、なんだかんだ言いながら100人に1人くらい出てくるんで。私は10人に1人くらいは全然出るんじゃないかと思ってるけど(笑)。そのうちさらにお金もいろいろクリアしたりなんやかんやすべてをクリアした人が出てくるんで、それで趣味として感じてくれたら良いなと思っています。
染:まずは興味出たら1個目の適性はクリアしてるよ、ぐらいの気持ちなんですね。
羽澄:そうですね、なんか「飛んでみたいな」って思ったときに飛んだらいいと思います。浮遊体験自体は5,000円とか1万円ぐらいでいけるんで。
染:「飛んでみたいな」ってちょっと興味出た時点でわりと気持ちありますよね(笑)。
羽澄:うん、まず1つ目。普通のやつは「飛んでみたい」ってあんま思わんから(笑)。
オススメの動画
染:ではここで、もう最後の方なんですけど、配信もそうですけど動画もアップされてるので何かオススメがあったらお聞きしたいんですけど。
羽澄:まだそんなになくて、ハンググライダーどう飛ぶっていう動画が一番わかりやすいんじゃないかなっていう。どうやって操作してるかっていう。
あとはショート動画で一番人気があるやつが良いんじゃないかなって。
「ハンググライダーどうやって飛ぶの」ってのが、これがいま一番見やすくて解りやすいかなと思います。
染:まずはこの辺を観ていくとハンググライダーっていうのがちょっと理解できる。
羽澄:これを観て「ハンググライダーおもしろそうだな」て思ったら、別のやつ観たらもうちょっとガッツリ真面目に飛んでるやつもあったりするんで。
最後に ~読んでくれた人へ~
染:この記事を読んでくれた人に伝えたいことみたいなのがあれば是非よろしくお願いします。
羽澄:うーん、なんかまぁ「飛んでくれー!」としか思ってないですね(笑)。本当にプカプカ浮かぶのも楽しいし。
そのうち上を目指して大会に出たいっていう、そういう気概,向上心まである人がいるんだったら、ハンググライダーっていうのは世界でも1万何人、日本だったら残念ながら1,000人切ってるスポーツなんで。だいたい600~700人くらいが日本のハンググライダー人口って言われてるんですけど、日本で始めた時点で1,000人くらいには入ってる。実際そこから上を目指してやっても、もう大会に出る時点でベスト30くらいには入れてる。全然日本一,世界一を目指すのはそんなに難しくない。努力はもちろんしないといけないんですけど、他のスポーツに比べると単純に人口が少ない分上を目指そうと思ったら目指せるスポーツではあるし、今世界のトップを取ってる人達って言うのは40歳とか50歳とか全然若い世代じゃなくて。
野球とかだったら小さい頃、小学生とかから始めて20,30歳で頭角表して、みたいなそんな必要があるかなと思うですけど。ハンググライダーは一番早い人でもだいたい大学生18歳くらいから始めてる人たちが多いの。なので今から始めても全然世界を狙えたりはするんで、よかったらやってみてはいかがですかね!そういう上を目指す人たちはそういう楽しみ方もできるし。
ただプカプカ飛んで楽しいなっていう人たちに関しても、プカプカ飛ぶだけでも楽しいので。
かつ、そういう世界の選手が身近にいる世界なんで、世界トップレベルの選手からすぐアドバイスを受けられる、そういう環境になっているんで、よかったらやってみてはいかがでしょうか?
染:世界のトップ層がすぐ近くにいるっていうのは魅力的な言葉ですね。野球だったらメジャーリーガーがすぐ近くにいる、連絡取れるみたいな。
羽澄:そうですね、すぐそこの大谷翔平にバッティングのやり方教えてもらえる世界なんで。
染:まさしく言っていた通り、向上心があればどんどん吸収する余地のある、そういう場のあるスポーツがあるんですね。すごい楽しそうな視点です、そういう風に考えたことなかったです(笑)。



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