以前書いた記事 ≫双極性障害の再発防止を目指す食生活改善まとめにて『オメガ3脂肪酸が精神を安定させるよ』と書いたのですが、参考にした論文が載ったウェブサイトを再度見つけることができなくなってしまい、ずっと探していました。
この度やっとこさ同様の内容の資料を見つけた(前回と同じものかもしれないけど書いたのが5年前なので覚えていない)ので共有します。
≫気分障害とω3系多価不飽和脂肪酸(PDF)
≫双極性障害の躁・うつの両方の症状を示す世界初の動物モデルの作製に成功
なお課金しないとアブストラクト(要旨)しか読めないものもあり、僕は無課金で読める部分までしか参考にできていないので興味のある人はぜひ課金して論文や報告の中身まで確認してみることをオススメします。
(そんな状態でブログ記事にするなと言われるかもしれないけど、まぁ僕のメモ帳でもあるのでご勘弁を)
ちなみに、ここに書かれている内容を簡略的にまとめたものが、僕がよく参考にしている『双極症 第4版: 病態の理解から治療戦略まで』という書籍の202頁「K:新薬,サプリメント,あるいは食事療法」という項目にも記載があるので、病識を深めたい方は手に取ってみてはいかがだろうか。
加藤 忠史(著)

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要約:DHAが抑うつ状態への補助療法として効果がある……かも?
染次郎的ピックアップ
僕がこれらの資料から読み取ったのは以下の事です。
- 血中のオメガ3脂肪酸(特にDHA・EPA)濃度が高いと抑うつ状態が緩和される傾向がある。
- 躁状態には特に効果がみられない。
- これらは双極性障害の要因である遺伝子に関連するものかもしれず、
- 食事やサプリメントによる摂取が血中濃度上昇に効果があるかどうかは諸説ある。
よって引き続き情報を探したい。
それぞれについてのメモをしていきます。
オメガ3脂肪酸の血漿中濃度が気分障害の症状緩和に影響がある
オメガ3脂肪酸というのはEPAやらDHAやら、お魚によく含まれている栄養素です。それらが血漿中(血液の中だと思えばいい)に含まれている量によって気分障害の緩和に繋がっている傾向があることが示されています。
ただ、下記引用のように『食事や薬物服用によって血中濃度等に変化がみられなかった』という報告も一部あるので、経口摂取がどこまで有効かは確かではない点に留意が必要(意味が無いという分けではない)だ。
・血漿中脂肪酸値や濃度は、自己報告のn-3PUFAを含有する食事や薬物服用との関連はみられなかった。
https://www.carenet.com/news/general/carenet/40893
ただこういったものはそれぞれ異なる意見の研究が出るのはザラである。
(条件や仮定が微妙に違ったりするゆえ)
そもそも双極症患者は多価不飽和脂肪酸不飽和化をする酵素の活性が低いとされているらしい。オメガ3脂肪酸を不飽和化する、というのがぶっちゃけ僕もよく解ってない。(多価不飽和脂肪酸を不飽和化するってどゆこと??)
ただ文脈からすると、オメガ3脂肪酸を摂取してもそれが血漿中に留まる状態にする酵素があんまり活発に機能してくれないということらしい。
あんまり活性が弱い部分に発破をかけるか、補うかということであるが、僕ら一般庶民ができることは補う側だと思う。活性化できる方法が見つかったらぜひとも研究室の先生に報告した方が良い。
研究している側としても、
「所見は、前臨床データや事後分析データと整合しており、n-3を増量またはn-6を減量した食事性PUFAの介入試験の検討を示唆するものである」
https://www.carenet.com/news/general/carenet/40893
としているので、今後の研究を待ちつつ、打てる手は打っておこうというのが患者側のスタンスとしてはちょうどよいのではないだろうか。
これについては、当然だが他の治療法(薬物療法や認知行動療法など)と併用してである。
共通しているのは「躁状態には効果がみられない」こと
いくつかの文献をみても、オメガ3脂肪酸関連で躁状態に効果があるという報告はみられなかった。よって、より躁状態の影響が大きいⅠ型双極症の方の一番の懸念払拭には至らないと思うが、いずれにせよ抑うつ状態は精神的にも肉体的にも負担が大きいのは確かであるので、全体の症状緩和という点から取り入れてみてもよいのではないだろうか。
オメガ3脂肪酸の血中濃度を上げる方法
実際にどうやってオメガ3脂肪酸の血中濃度を上げるか。
さて、我々ができる手段としては、基本的に経口摂取程度である。
補給の仕方については、≫以前書いた記事にも記載してある通りタンパク質との同時摂取によって吸収率が上がるようなので、日常的に容易な方法として魚からの摂取、もしくはプロテイン+サプリメントの組み合わせなどが考えられる。
そもそもタンパク質自体も同様にうつ状態へ効果があると考えられる(神経伝達物質の材料)ので、高たんぱくな食事は日ごろから心掛けたいところである。
なお≫以前書いた記事で『プロテイン作る気力もないとき用に常温保存可能なプロテインドリンクを手が届きやすい所に置いておく』ことをしていると書きましたが、なぜか抑うつ状態だと「プロテインドリンクを飲みたくない!」となっていたので、無いよりはマシだけど万能ではありませんでした。
(これについては抑うつ状態での『炭水化物飢餓』が影響しているのではないかと推察し、調査中です)
明治

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無論、抑うつ状態では料理もできないので、食事としてサバ缶を常備しておくのは有効かもしれない。ただし洗う気も起きないと思うので、あとあと復活してきたときに腐ったサバのこびりついた空き缶と対面する可能性もあるので覚悟しよう。
それを避けたければ、どうせ抑うつ状態だと他の洗い物も満足にできないと思うので、食洗器を導入するのも一つの手だろう。
抑うつ状態でも水やジャンキーなドリンクは飲めるという経験があるし、薬はなんとか飲めているので、サプリメントという状態でせめてオメガ3脂肪酸を摂取するというのも有効だと思う。
ということで僕はオメガ3脂肪酸のサプリメントを手元に置くようにしています。
NOW Foods

\4222
自分の傾向に併せて、より対応可能そうな方法選択していただきたい、と思う。
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